小川糸さん「喋々喃々」

こんにちは。

小川糸さん「喋々喃々」

おもしろかったんだけどさ。

 

私は小説を実際に読んでほしいので、あまり内容を書き過ぎないようにと思っているんですが。

そう思っているんですが、今回は生意気に否定的なことを書いてしまおうかと思う。

 

結婚した後に、または結婚している相手に全然そんな風に思っていなかったのに、どんどん惹かれていって、いつの間にかお互いに好き合っていて。

そんな話なら良かったんだけど。

 

主人公栞は、初対面の春一郎の結婚指輪を確認した上で距離が縮まることを期待して行動している。

そして、その好意って男の人は感じとってしまうんじゃないかな。

男女共にこういう人っている。

 

そんな2人なんだか、小川さんは奇麗に丁寧に描く。

真っ直ぐで、優しくて、真面目で可愛らしい2人。

 

うーん、、、

そうだろうか?

 

小説は誰かに媚びを売るものではないので、リアルな人間の心を描いた作品はいい。

だが、この2人を素敵な感じで描くのは疑問があった。

 

どうせなら、ドロドロと嫌われる勇気を持って描いていただきたかった。

 

もっと相手を責めたり、嫉妬したり、苦しんだり、壊れたり、それぐらいのポテンシャルを持ったしたたかな女に違いないと思うのだが。

 

いい子じゃない栞の方が魅力的に躍動すると思う。

春一郎も優柔不断で欲張りで嘘つきな部分を違う角度から見たかった。

 

 

読んでいただき、ありがとうございました。